子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ

更新日時:2015年03月07日

恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。
保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行
「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆メタファーで子どもの視野を広げる☆ 

親が幼子に物語(絵本)を読み聞かせることは、情操教育や語彙の習得、そして親子のコミュニケーションの機会となり、子育てに良いと言われています。確かに、幼子なりに好きな物語があり、物語の中のフレーズをよく口にします。読み方も誇張すると幼子はもう大喜びで親子の絆が深まる様な実感があります。
さて、成長した子どもや大人に取って物語はどんな効果があるのでしょうか。
学齢児童になれば、国語の一環として強く読書が薦められます。確かに語彙を覚えるには有効ですが、本が好きでないかつての私のような子どもにとっては、苦痛でしかありません。
実は、小説や物語は、メタファーとしての効果があります。メタファーとは、隠喩と訳され、比喩の一種です。簡単に表現すれば、「君は野菊のような人だ」というのは直喩という比喩。『君は野菊だ』といえば、隠喩という比喩とされます。
ちょっとした表現の違いですが、後者は前者に比べて曖昧ですから、意味の取り方が自由な分、心理的抵抗感が少なく色々な思考を促すのです。
小説や物語は、同じ人間の話であったり、物や動物であっても擬人化されているので、私たちの生活と類似する点があります。しかし、物語の内容は、読む人にかなり類似している場合もあれば、かなり異なる場合もあります。
そして、物語は、あくまでも他人の話であるため、客観的に味わえるので、心理的な抵抗感が少ないのが特徴です。
ですから、物語の登場人物の行動や心情、他人の行動であり心情であるので、安心して受け入れることができるのです。
もちろん、受け入れることは、登場人物に賛同する場合もあれば、逆に否定することもあります。どちらでもいいのです。客観的に認知して、内言(自分の心の中の言葉)でも実際に口に出してみることでも、その場面における主人公の行動や心情を考え、

「自分ならどうするか?」
「自分はこんな時どうしたいか?」

といったケーススタディーの機会になるのです。
テレビのドラマを見たり、テレビや新聞にあるニュースを取り上げて、「あなたはどう思う?」と時々聞いてみると、子どもの気持ちや考えを親が理解できるだけでなく、子ども自身が、もう一度その事柄について考える機会となります。
この機会は、子どもの視野を広げたり、子どもが新しい行動を身につけるチャンスになります。「お母さんは、○○と思う」と他者の意見を伝えることも、子どもの思考のヒントにもなります。

また、子どもが抱える問題に若干似ているような他人の出来事を話してみるのも良いかもしれません。他人のことだから、子どもも素直に聞ける可能性が高いのです。そこから問題解決の一例を暗に伝えることもできるのです。

ただ、子どもがどんな言葉を発しようとも批判をせず、「あなたは、そう思うのね」と受け入れること、そして、親の意見を押し付けることは避けることです。

さもないと、折角のメタファーは、心理的抵抗を促す説教に変わってしまうからです。子どもが、何を考えるかは、子どもの自由ですし、子ども自身の問題です。

親は、意見を伝えることはできても押し通す権利がないことを、自覚したいものです。

 

☆ 自律心を育てる ☆
自律心とは、自分を律するということで、言い換えれば我慢をするという態度です。
子どもも私達大人も皆、「~が欲しい」「~がしたい」という気持ちは多かれ少なかれあります。しかし、いつもいつも自分の欲求が通ることはありません。いいえ、寧ろ通らないことばかり目立つ位です。
社会は、異なった価値観を持った人の集まりですから自分の思う通りになることの方が少ないことは考えれば理解できます。だからこそ、子どもが社会で健やかに生きていくために、自律心を育てていく必要があるのです。
先日、ある中学生が「私は一人っ子だから、なんでも思い通りになる!」
という言葉を小耳に挿んでちょっと不安になりました。思い通りにならない時に健全に我慢できることを祈らずにはいられませんでした。
三つ子の魂100までと言われるように、家庭で身につけた姿勢や態度は、社会の中の家庭とは異なる環境においてもなかなか変わらないものです。社会へ送り出す準備として家庭があるのだと考えれば、今この時、わが子に「我慢をする態度」を養いたいものです。
ところで、「我慢させること」と「諦めさせること」は必ずしも同じではありません。我慢は、今は欲求が通らないことを受け容れるだけのことであり、未来に至っては実現するかもしれないし、実現しないかもしれないということです。諦めは、現在、将来に渡って欲求が通らないということです。
欲求が未来永劫全て敵わないとすれば、こんなにモチベーションの上がらないことはありませんし、「どうせ叶わないのなら」と将来に渡って欲求を持てなくなってしまう危険もあります。
ですから、自律を意味する我慢をさせるということは、今は叶わないが、「いつなら叶うのか?」、「どんな準備が必要なのか?」、「何をすれば欲求が通りそうなのか?」を親子が共に考える機会が必要だと言えます。
子:「○○が欲しい」
親:「今は、無理だけど高校生になったら考えてもいいわ」
子:「○○を買って」
親:「今、お母さんは買ってあげられないわ。でも、あなたが自分の力でそれを手にすることができる方法を一緒に考えてみない!?」
子どもは、「ちぇっ!」て思うでしょうが、子どもの欲求が一過性のものであることも多いので、本当に自分が欲しいものかどうかを吟味する機会にもなるでしょう。

子どもの欲求に対して、「この程度なら」と100%叶えてあげるのは、ちょっと考えてみて下さい。

中学校の部活動で、「我が子を試合に出してくれ」と懇願する親がいるという話を聞いたことがあります。わが子が試合に出れない理由を顧問に訊ねるのは良いと思いますが、「わが子を試合に出して欲しい」と依頼するのは考えものです。

試合に出れるようになるために、どんな努力をすれば良いのか親子が共に考える機会としたいものです。

 

☆子どもの要求に対する親の効果的な対応☆  

 

子どもから親に様々な要求があります。親が悩むのは、ゲームやスマホを買ってくれと言われる時ではないでしょうか。
よく、子どもの欲しいものを買い与えた後で、「ゲームやスマホに夢中で自分の部屋に閉じこもってばかりで困る」とか、「勉強を全然やらなくて困る」という話をよく聞きます。
「『勉強もしっかりやる』と約束したじゃない!?」と言っても後の祭りです。欲しいものを手にした子どもは約束なんかそっちのけです。

子:「スマホ買ってよ」
母:「中学生なのにスマホなんていらないでしょ」
子:「えーそんなことないよ。友達はみんな持っているし、僕だけ仲間はずれなんだ。」
母:「でも、スマホは高いし・・・。しかも勉強そっちのけで、メールやゲームに夢中になっては困るし。」
子:「大丈夫だよ。勉強はちゃんとやるし、ちゃんと時間を決めて使うからさ・・・。」
母:「そこまで言うなら、仕方がないわね・・・」
子:「ヤッター」

この後、子どものスマホの使用が親の納得できない状況であった時に、「あの時約束したのに何で守れないの!」と罵ったり、「取り上げるわよ!」と脅しても、手遅れです。親子関係が気まずくなるだけです。
そこで次のやり取りをお薦めします。

子:「スマホ買ってよ」
母:「中学生なのにスマホなんていらないでしょ」
子:「えーそんなことないよ。友達はみんな持っているし、僕だけ仲間はずれなんだ。」
母:「それなら、買ってあげないわけでもないけれど・・・」
子:「それじゃあ買ってくれるの!?」
母:「お母さんとの約束を守るんだったらね」
子:「守る!守る!」
母:「まだ何も言っていないわよ。既に心配ね」
子:「何でも守るよ」
母:「学校で許されるとき以外は、学校に持っていかないこと。勉強中は、メールもゲームも絶対にやらないこと。家族で食事をしている時や互いに話をしている時も使わないこと」
子:「わかったよ」
母:「もし、お母さんやお父さんがこの約束を破られたと感じた時は、残念だけど、その時点でお母さんがあずかります。この約束で良ければ、買ってあげます」
子:「わかったよ。ありがとう」
母:「お母さんも、あなたが気持ちよく便利に使ってくれればうれしいわ」

さて、この後、もし、子どもが約束を破ったら、約束通りお母さんが極端に言えば明るく「残念ね」と言って預かればいいのです。
つまり、最初の約束を勉強するかどうかで終えないで、守れない時のことまで約束しておいて、その約束に従って実行するのです。最初は、子どもに食ってかかられるかもしれませんが、結果的に責任は子ども自身が引き受けなければならないことを悟るはずです。大切なことは、感情的にならずに約束に従ってクールに対応することです。

ところで、著者は中学生へのスマホ携帯を奨励しているわけではありません。もし、親の判断で持たせないと決めたのなら、理由など聞かずにできるだけクールに断ることをお勧めします。子どもの要求を断るなら、下手に期待を持たせないことが肝要です。