子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ

更新日時:2015年11月17日

恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

——————————————————-

☆ 親らしく生きない1 ☆

 

親が問題と捉える子どもの行動のほとんどは、子どもが親からの注目を得ることで、家庭内での自分の存在を確認するためです。

ですから、子どもの行動が問題だと感じたら、親の注目の仕方を変えると、まるで何もなかったかのように問題が解消することが多いのです。

昨今の両親は、昔に比べて忙しく余裕がないようです。その影響が子どもに及ぶと様々な問題が生じてきます。

子どもの世界も課題で溢れています。これらの課題を克服するためには、子どもが親から関心を寄せられているという実感を持つことができると、自分は価値ある人間だと実感し、課題に取り組む勇気が湧きあがるのです。

子どもは、そのエネルギーを獲得する為に、親から注目を得ようとするのです。

さて、親は忙しい。子どもの細かい行動に目が行き届きません。

そこで、子どもが親に関心を示されていないと感じれば、課題解決のためのエネルギーを獲得できません。そこで、なりふり構わず、注目を得ようとするのです。

 

親が忙しい時に、

子:「ねーねーお母さん聞いてよ・・・今日、学校でね・・・」

親:「今忙しいから、後でね!」

しばらくして、

子:「ねーねーお母さん、今日・・・」

親:「今、お母さん何しているかわかるでしょ!あなたの話は後で聞くって言ったでしょ!」

子:「・・・・・・・(あとでって、いつなんだ!?お母さんは自分の話を聞いてくれない)」

となるかもしれません。

 

それでも、親の関心を得ようとすると、

親:「(子どもの顔を睨みつけて)何度言ったらわかるの!?お母さんは今忙しいの!」

子:「(ヤッター!お母さんがちゃんと僕の方を向いてくれた!!)」

と、叱られているのにも拘わらず、注目を得られたことに満足し、

「親が忙しい時(いつも忙しそうですが・・・)に声をかけよう!」

と新しい行動を学ぶのです。このようにして、親が問題だと思う行動が始まり、継続してしまうのです。

 

まずは、普通の忙しい親を子どもの前では一旦棚上げすることです。

 

子どもは1時間も親に話をしようとはしないはずです。数分か、精々

10分位のことでしょう。子どものエネルギーを高めるか、それとも将来に渡ってエネルギーを消失させてしまうことを考えたら、決して長い時間ではないはずです。

 

子:「ねーねーお母さん聞いてよ・・・今日、学校でね・・・」

親:「ごめんね。今、どうしてもおかあさん手が離せないから、あと30分位したら、終わるから、後で聞かせてくれる」

子:「うん。わかった。」

 

30分経過したところで、

親:「さっきは、ごめんね。あなたの話を聞かせて・・・」

子:「あのね。今日、学校でね・・・」

親:「(子どもの顔をしっかり見て)ふん。ふん。そんなことがあったの・・・。それで、どうしたの?」

子:「それでね、・・・」

親:「そうだったんだ。それは、楽しかったわね!」

 

これだけでいいのです。子どもにとっては・・・。

是非、少しの時間でいいので、子どもの話を聞く時は、普通の忙しい親を棚上げしてみて下さい。

現在、そして、将来の子どものために・・・。

 

 

☆ 親らしく生きない2 ☆ 

 

親は、「子どものために何かしてやらなくては・・・」と思うことがあります。しかし、子の感覚には注意が必要です。「子どもに何かしていないと、親ではない!」という信念に代わり、親の存在価値を得るために必要以上に、または、不必要にアプローチしてしまいがちなのです。

これは、子どもにとって迷惑だというだけでなく、親が問題だと感じる子どもの行動(親に対する反抗や親の言うことをきかない)を誘発してしまう恐れもあるのです。

 

「いつまでゲームしているの!早く勉強しなさい!」

「いつもでも起きていないで早く起きなさい!」

「自分の部屋なんだから、片づけなさい!」

「忘れ物しないようにしなさい!」

「遅刻しないようにしなさい!」

 

などの指示命令や子どもに足りないと感じる部分ばかりに目を向けアプローチしていると、子ども(特に思春期)は、「なんで私のことに親は口出しをするんだ!自分のことは自分でやるし、自分のことは自分で責任を取るのに・・・」と感じるようになります。

 

親:「遊んでばかりいないで、少しは勉強しなさい!!」

子:「わかっているよ!」

親:「何がわかっているのよ!全然、勉強しないから言ってるんじゃない!!」

子:「だから、わかっているって言ってるじゃん!!!」

親:「何!!!その言い方。あなたが、勉強しないから言っているんでしょ!!お母さんは何か間違ったこと言ってる!?」

子:「だから、うるさいんだよ!!!」

親:「何、うるさいって!!親に向ってなんていう口のきき方なの!!!」

子:「まったく、うるせーんだから・・・(その場を立ち去る)」

 

これだけで、済めばいいのですが、その後、部屋にこもったり、顔を合わせても口をきかない、無視をするようになると、オロオロしてしまう親は少なくありません。

 

これは、頻繁な親の指示命令が引き金になり、子どもには「自分はコントロールされている」という理不尽さを招き、反抗や無視を引き起こしているのです。

 

これは、自分の生活について のコントロール権を廻って権力争いを挑んだ子どもの行動なのです。「どちらが、力があるのか確かめようじゃないか!」そんな姿勢なのです。

 

こんな場合、子どもの態度を責めるのは禁物です。プロセスを振り返っていただければわかるように、親のアプローチに喧嘩を売る意思があろうがなかろうが、子どもにしてみれば、きっかけは親にあると感じているからです。

 

親が子どもの態度にいらだちを感じ、なめられちゃいけないと感情的になっていると理解できたのなら、一旦、言い争いの土俵から降りることをお勧めします。親が子どもに買っても、負けても、子どもの学びはリスキーです。 「この世は力関係で成り立っている」と学び、力を得ることを目的に行動するようになってしまう可能性があるからです。

 

「負けるが勝ち」ということわざがあります。今、引き下がったとしても、後々、子どもが自律的に行動できるなら、勝ち負けではありませんが、親としては安心できるでしょう。

 

「親だから、何かしなくてはならない」から「今、そして将来の子どものために何がベターなのか」に、意識を向けてみましょう。

 

 

 

☆ 子どもの現状を把握する ☆ 

 

秋も徐々に深まっています。

この時期、子ども達の状況は大きく三種類に分かれるのではないかと、何年も子ども達を見て思います。慣れないまま無我夢中で過ごしてきた当該学年の前半の成果をどう受け止めて、どんな態度を示しているかということです。

 

一つ目の状況は、前半の成果に手ごたえを感じて益々がんばろうと張り切って取組むタイプです。これは、親にとっても、理想的なタイプです。親としてもこんな子どもだったらいいのにと思うことでしょう。

 

二つ目の状況は、前半の成果は納得できないものであったものの、これで終わる訳に行かないとがんばるタイプです。これは、一般的に負けず嫌いの気質の子どもたちに多いようです。親としても、前半から頑張ってくれればよかったのにと思いつつも、納得できるところでしょう。

 

三つ目は、諦めた態度をとる状況です。前半の芳しくない結果を踏まえ、「自分はこんなもんだ!」、「自分は、頑張っても大した成果を上げることができない」と考え、やる気が低下し、努力を怠り、もちろん期待する成果が現れません。これは、親としてなかなか納得できるものではありません。

 

そして・・・・

三つ目の状況の子どもに対して、親も三種類に分かれるようです。

 

一つ目は、諦めてしまう態度です。「この子は、何をやっても駄目だ」と子どもへの関心や期待を投げ出してしまうのです。

 

二つ目は、この状況に居てもたってもいられなくて、常に子どもに必要以上の介入をする態度です。「こんな状況でどうするの!?」、「しっかりしなさい!!」と、四六時中言い続けます。

 

三つ目は、どうしたら、今のこの好ましくない状況を子どもに理解させ、再びチャレンジする意欲を高められるか考え、勇気づけを決意するタイプです。

 

さあ、あなたのお子さんの今の状況は如何でしょうか?仮に、お子さんが三つ目の状況だとしたら、親であるあなたの状況はいかがしょうか?

 

実は、三つ目の状況に見える子どもも、よくよく話を聞くと「何とかしなくては・・・」と思っていることがほとんどです。しかし、一つ目の親のような諦めや放任のアプローチ、二つ目の親のように否定的なアプローチで、「結局、自分は、親からも期待されていないし、どうせダメなんだ!」という気持ちを強化していることが多いのです。

 

では、三つ目の状況に見える子どもに、親はどうアプローチしたら、子ども達は再チャレンジの意欲を高められるのでしょうか。それには、まず、親が現状を好ましいものではないが、現状のまま人生のゴールに向かうわけではないと信じることです。

 

保護者の皆さんも今までの人生で、様々な苦悩を乗り越え、考えを変え、行動を変えて、今現在に至ったのではないでしょうか。

 

もし、保護者の皆さんの親から今、「お前の取り組みは甘い、もっとしっかりやらなければダメだ」と言われ続ければ、できるだけ親の顔は見たくないでしょうし、親と話す機会を避けるようになるでしょう。

「私だって頑張ってるのよ!」と・・・。

 

現状をしっかり見つめ、現状から少しでも成長しようとする態度が子どもに身につけば、進学しても、社会へ出ても、自分の課題に正面から立ち向かい、子どもたちなりの幸せを掴んでくれるのではないかと私は思っています。

 

そのためにも、今の親のアプローチが非常に大切です。

 

是非、お子さんと現状を共有しましょう。親の理想を一旦棚上げして、一歩先へ進むためにどうしたら良いのか一緒に冷静に話し合ってみて下さい。そして、「お母さん(お父さん)は、どんな状況でもがんばるあなたを応援している」と言い続けてください。

 

やがて、子どもの状況は、二つ目(失敗してもがんばる子)に移行し、さらに、一つ目の子どもの状況(成功体験を活かしてさらにがんばる子)に移行するはずです。

 

秋の夜長、是非、建設的な会話が各ご家庭で行われることを祈っています。

長い文を最後まで読んでいただいてありがとうございます。