子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ

更新日時:2016年01月18日

恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

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☆ まず、共感! ☆ 

 

私たちは、子どもをやる気にさせようとか、新たな行動をさせようとする時、一般的に、「褒める」「励ます」、「叱る」、「批判」というアプローチをするものです。次の3つの会話例で、ご自分が子どもになったつもりで味わってみて下さい。

 

例1)

子:「テストで90点とったよ!」

母:「えらいわね。今度は100点とれるように頑張ってね!」

 

例2)

子:「試合に負けちゃった」

母:「負けたことを、いつまでもクヨクヨしていても仕方がないじゃない。今度は勝てるように頑張りなさい」

 

例3)

子:「今日、忘れ物しちゃった」

母:「『忘れ物しちゃった!』じゃないわよ、いつも、『前の晩に、しっかり持ち物を準備しておきなさい』ってあれほど言っているじゃない!」

 

いかがでしょうか。子どもとして、やる気や行動が変わりそうですか。

例1)で、子どもは、「テストで90点とったよ!」の次に、どんな言葉を続けたいのでしょうか。

 

例2)で、「試合に負けちゃった」の次に、どんな言葉を続けたいのでしょうか。

 

例3)で、「今日、忘れ物しちゃった」の次は、どんな言葉を続けたいのでしょうか。

 

これらの子どもが続けたい言葉に意識を向けていると、他のアプローチが見えてきます。

 

例4)

子:「テストで90点とったよ!」

母:「嬉しそうね」

子:「そりゃ嬉しいよ。あんなに苦労して勉強したんだもん」

 

こうなると、単に点数だけに喜んでいるのではないことが察せられます。

「苦労した甲斐があった。苦労したけれど、苦労すれば成果につながる

ことに満足」ということを実感しているのかもしれません。

 

「点数が良かったから喜んでいるのね。それじゃあ、褒めてあげれば、もっとがんばるだろう」というように親が捉えていたとしたら、親子の認識がずれてしまいます。

 

子どもにとってみると、「そこじゃないんだよな」ということになるかるもしれません。

そうなると、親のアプローチが、子どものやる気や態度を変えることに役立たず、このようなずれが続けば、子どもは親に話すことを控えるようにもなってしまう恐れもあります。

 

ポイントは、子どもの「テストで90点とったよ」の言葉だけでなく、声のトーンや表情を観察して、「嬉しいのか」、「悲しいのか」、「落胆しているのか」を察して、言葉にした「嬉しそうね」の一言なのです。

 

この一言によって、子どもが、「そうなんだよ・・・」、「そうじゃないんだよ・・・」とその発言の詳細を話してくれる呼び水になるのです。

親の気持ちを伝えるのは、この詳細(子どもの本音)を聞いてからでも遅くありません。

 

この一言こそ、共感なのです。お子さんの気持ちを察して伝える共感を自然にできるようになると、お子さんが自ら学ぶ機会となる上に、お子さんとの会話がもっと楽しくなるのです。

 

是非、前述の例2)、例3)の共感も考えてみてください。

 

 

☆ 子どもの理解の仕方 ☆ 

 

落語にある「目黒のサンマ」という噺は有名です。

庶民的に調理された低級なサンマを殿様が食したところ、殿様用に屋敷で殿様用に調理されたサンマと比較して美味しかったところから「さんまは目黒にかぎる」と下る噺です。

 

サンマが美味しかったのは、目黒という土地ではなく、あくまでも黒く焦げた、骨を抜いていない庶民的な調理法にあったのですが、殿様は目黒に紐づけたのです。

きっと家来は、殿様が何を言っているのかわからなかったことでしょう。

なぜ、サンマと目黒が結び付くのか・・・。

 

親子関係でよく、親が、「自分の子どものことがよくわからない」とか、「子どもが何を考えているのかわからない」という訴えをよく聞きます。

 

また、子どもは子どもで、「親は、自分のことを少しも理解してくれない」と訴えます。

 

以前、宇宙人という比喩が流行したこともありましたね。確かに、宇宙人とは、文化、文明が違い過ぎて、理解できないかもしれません。親子関係で、宇宙人は悲し過ぎます。

このような事態は、親も子も、自分の価値観(自分の見方)、信念(思い込み)で、相手を理解しようとしているからです。逆に言えば、相手の価値観や信念を理解しようとしていないのです。

 

それは、わかるけど、「子どもが話をしてくれないので、理解しようにも理解できない」という悩みもあるかもしれません。もし、そうならば、まだまだ、親が子どもを理解しようとするステージに立てていないかもしれません。

 

子どもが、「本当に話を聞いてくれそうだ」と感じれば、話をしてくれます。だって、友達とは、話をしていますよね。

 

そうなんです。「子どもを理解しよう」、「子どもに話してもらおうと思う」なら、親は子どもの友人のような姿勢で子どもと接し、話しやすい環境を準備することなのです。

 

友人だったら、

「へー。そうなんだ」、「それでどうしたの?」という相槌、「それは、頭に来るね」という共感、「それは、~したら良いんじゃない」という意見言葉(自分の個人的な意見だと相手に伝わる言い回し)などが、頻繁に行われているのではないでしょうか。

 

子どもを批判したり、話を急かしたり、一方的に親の意見を押しつける等の姿勢を棚上げして、子どもに安心・安全な環境を整えれば、子どもは自由に自分の気持ちを伝えてくれるようになり、凡そ「子どものこと」、「子どもが考えていること」を分かり合えるのです。

 

☆ お子さんに「ありがとう」を言っていますか ☆

 

私が、仕事で付き合っている20代前半の男性がいます。この人は、口癖のように「すみません」を連発します。私が、仕事上、気づいたことがあったので、彼に、「こうしたら、もっとよくなるんじゃないかな」と、私としては気軽に提案しているつもりなのですが、話が終わると、「すみません」と返って来るのです。

 

この男性は、長く「偉いね」と褒められて育ってきたんじゃないかと感じています。「偉い」と褒めることがなぜ問題なのか?と疑問をお持ちの方も多いと思います。

「偉い」の反対は何かと考えると、「偉い」と褒めることのリスクが予想できます。そうです。「偉くない」です。「偉い」と褒められた時は、功績が認められたかに感じますが、何も言われない時は、要するに『偉くない』のです。

「偉くない」は、基準に達していない、言い換えれば「不合格」ともとれます。だから、褒め言葉を言われる時以外は、ストレスがたまりやすいのです。結局、褒めらる時以外は、「すみません(基準に達しませんで)」となってしまいがちなのです。

そこで、先ほどの彼に、「これから、『すみません』という代わりに、『ありがとう!』と言ってくれないかな」とお願いしたところ、すぐに「ありがとうございます」と言われ、その時の気分の良さは格別でした。

 

私は「すごい。気分がいいよ。『ありがとう』」と伝えました。

 

その後、普段は、あまり自分から話しをする印象のなかった彼でしたが、「〇〇のこと、こうしたいのですが・・・」と提案してくれました。彼と私が対等な人間関係(歳は親子ほどに違いますが・・・)に、なった瞬間です。

 

「ありがとう」は、人間関係を対等にする魔法の言葉なのです。

そして、「ありがとう」を伝えられた人は、「ありがとう」を使いたくなるのです。

是非、今年の「ありがとう」を振り返り、家族をはじめ、様々な人間関係で「ありがとう」の言葉が飛び交うことを願います。

 

本年もよろしくお願い致します。