子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ

更新日時:2016年03月07日

恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

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☆ 目先の正解に一喜一憂しない受験勉強を! ☆  

 

入試日が迫ってくるこの時期は、受験生に多かれ少なかれ焦りが生じます。保護者としてお子さんにしてあげられることは、勇気づけです。

 

受験勉強で問題を解いて、正解すれば、それは嬉しいですし、入試に向けて自信にもなります。しかし、入試前の演習で正解だったから、と手放しで喜べない場合もあります。

 

例えば、「先生!あってた!」と正解を喜んでいる生徒に、どうやって解いたのか説明するようにいうと、「なんか適当にやっていたらできました」との受け応えに愕然とすることがあります。

 

本番の入試で、解き方がどうしてもわからない問題に出会った時に、

 

「もう仕方がない。適当にやってとにかく答えをだそう!」と決断して、それが正解になったのなら万々歳です。

 

しかし、入試前の勉強は、入試本番で最適な方法で、余裕を持って正解して、得点するための準備をしているのです。適当にやって正解になった問題からは何も学べません。かろうじて、「いけそうだ!」というカラ元気だけです。

 

入試前の模擬テストの結果にしろ、普段の演習にしろ、必ず正攻法で問題が解けたのか振り返って欲しいものです。

 

ここで、お父さん、お母さんにお願いです。

 

「間違いが多い!」、「点数が悪い!」なんて指摘することは避けていただきたいということです。

 

「入試本番ではなく、今間違えて置いて良かったね!この問題をしっかり解けるように復習すれば、この問題は必ず入試本番で解けるね。しっかり解き方を学んでね。どうしても、わからないなら、必ず先生に質問するんだよ!」

 

そして、「正解だった!」、「点数が良かった!」と喜んでいるお子さんを発見したら、喜びを共感していただいても、必ず「どうやって解いたの?」と訊ねてください。

 

「適当にやった」とか「何となく」という答えが返ってこなければ希があります。

 

残念ながら、そんな答えが返ってきてしまったなら、「自分で納得できるようにもう一度解いてごらん」とか、「先生に解き方が合っているか確認しておいで!」と正しい理解ができるように促して下さい。

 

エジソンは、電球を発明するまでの試作で失敗した際、弟子が「また失敗してしまいましたね」という言葉に応えて、「いいや〇回(失敗した回数)のうまくいかない方法を学んだだけだ」と応えたそうです。

 

一般的には失敗と落ち込みそうな場面のお子さんに対して、エジソンのようなリフレーミング(ポジティブな言い回し)でアプローチしてあげてください。きっと、お子さんの勇気は倍増することでしょう。

 

受験生のご家庭に、素敵な春が訪れることを心からお祈りしています

 

☆ 節度を保った関わり方を ☆ 

 

親:「いつまでもゲームばかりしていないで、早く勉強しなさい」

子:「わかっているよ!」

親:「全然、わかってないじゃない。今の内に勉強しておかないと、いい高校に行けないわよ」

子:「いいよ、別に行けなかったら行けないでも・・・」

親:「今、高校に行くのは当たり前よ。大学にだって沢山行っているんだから」

子:「いいよ。別に勉強好きじゃないし」

親:「何それ、それなら中学校だって行く必要ないじゃない」

子:「そうだよ。しょうがないから行っているんだ」

親:「それじゃあ。はなから勉強なんかする気なんてないじゃないの!」

 

このような、売り言葉と買い言葉というやり取りが、なぜ生まれて来たのでしょうか。それは、その対象としていることが、誰の課題であるか明確にしていないことが考えられます。

 

「勉強をしない」のは、もちろん、子どもの課題です。勉強しないことの結果を引き受ける責任が、子ども自身にあるからです。全く親の課題ではないのです。

 

そして、「子どもが勉強しないことに対する心配や不安」は、親の課題なのです。

 

親は、自分の不安を自分自身で解消する課題を負っているのです。

それでは、どうしたら、この不安を解消できるのでしょうか。

それは、親自身が不安であることを、子どもに伝えるということです。

 

先ほどの会話では、親は、「勉強しなさい!」という言葉の中に、子どもに対する不安を伝えていると思っているかもしれませんが、子どもにとっては、自分の課題に親が指示や命令をしてきて、迷惑だと感じているのでしょう。

 

そこで、

 

親:「大好きなゲームを楽しんでいるようだけれど、お母さんとしては、将来困らないように、ゲームもある程度で切り上げて勉強してほしいと考えているのよ」

子:「確かに、勉強しなくちゃいけないのはわかっているんだけど、ちょっとやる気になれないんだ」

親:「そうよね。勉強は、ゲームと違って楽しいことばかりじゃないもんね」

子:「全然、楽しいことなんかないよ」

親:「そうだね。それでも、あなたの将来のために少しずつ勉強してほしいなぁと思うのよ~」

子:「わかったよ。このステージが終わったら、始めるよ」

親:「そう、よかった。お母さんの不安をわかってくれてありがとう。もし、わからないならお母さんも何か手伝おうか」

子:「いいよ、自分でやってみるから。わからないところが出てきたら教えてくれればいいよ」

親:「なんて頼もしい一言!すこししたら、おやつを持っていくわ」

子:「うん。ありがとう」

 

例え、我が子であっても、一人の人間です。それぞれに課題を持っています。人の課題にズカズカ侵入することはおせっかいなだけです。

 

でも、心配だったり、意見や提案があるならば、はっきりと「私は心配だ」、「私は、こう思う」という直接的な言い方で子どもに伝えることが大切です。

 

☆ 励まさない子育て ☆

 

子どもが、落ち込んでいたり、ふさぎ込んでいる様子を見ると、親として何とかしてあげたいと思うのは自然な感情です。

 

親:「何かあったの?」

子:「・・・」

親:「悩み事があるなら話してごらん」

子:「別に・・・」

親:「そんなこと言ったって、あなたの様子は、いつもと違うじゃない!何でもいいから話してしまいなさいよ!そうすれば、元気になれるから・・・」

子:「だから、何でもないってば・・・」

親:「どうしても話してくれないなら仕方がないけど、あなたは、小さなことで、すぐクヨクヨすることがあるけど、つまらないことを心配しないで、はやく元気を出しなさいよ」

 

親は、子どもにいつでも元気でいてもらいたいと思うので、当然のアプローチのように感じますが、もしかしたら、子どもの勇気を奪っているかもしれません。

 

子どもも人間として、問題や悩みを抱えます。

 

しかし、「親に話せば解決できる」とか、「小さなことで悩んでいる」と言われたら、「自分が抱えている問題は、他人から見ると大したことではないと軽く見られているんだ。さらに、そんな問題に悩んでいる自分は、小さな人間だ」と感じるようになってしまうかもしれません。励ますとは、励ます親の視点でアプローチすることです。

 

人の悩みは千差万別で、仮に同じ悩みだとしても、程度も人それぞれです。是非、励ますことを棚上げして、子どもが自然と元気になれるようなアプローチを考えてみましょう。

 

親:「何か悩んでいるようね」

子:「・・・」

親:「お母さん、心配だわ。もし、お母さんにできることがあれば、何でも相談してね。もしかしたら、役に立てるかもしれないし・・・」

子:「うん。でも大丈夫、大したことじゃないから・・・」

親:「あなたが、大したことじゃないと感じているのなら、ちょっと安心したけど・・・」

子:「・・」

親:「できるだけ早く悩みが解決するといいね。悩みはわからないけど、あなたが早く解決できて、いつものように元気になれるのを応援しているわ」

子:「うん」

 

大切なことは、「お母さんは自分に関心を持ってくれているんだ」、

 

「お母さんは自分がどんな状況であれ、批判も、見放すこともなく無条件で見守ってくれる」と、子どもが感じられるようにすることです。常に見守ってくれている親の存在で、子どもは勇気を発揮できるようになるのです。

 

子どもの悩みを解決することを請け負うことをやめ、子どもが悩みを解決して成長する過程を見守りましょう。

 

☆ 子どもの性格は変えられる ☆

 

子どもの指導に関わっていると、困っていても、口をきかず、黙っているような子どもと、度々出会います。内気な子、人見知りな子というように、変えることのできない性格として捉えないように注意しています。

 

自律した態度の一つは、自分の気持ちや意見をはっきり言葉にして相手に伝えることだと感じるからです。

 

私:「(生徒の浮かない表情や態度を見て・・・)質問かな?」

生徒:「・・・(うなづく)」

私:「どんな質問かな?」

生徒:「(小さな声で・・・)ここがわかりません」

私:「そうか。ここがわからないんだね。この問題は、何を求めればいいのかな・・・?」

生徒:「面積・・・」

私:「そうだね。面積を求めるんだ。面積の公式はどうだったっけ?」

生徒:「・・・」

私:「忘れちゃったかな・・・?」

生徒:「・・・(うなづく)」

私:「公式はね、~だよ。わかったかな?」

生徒:「(小さな声で)はい」

私:「よかった。君が声に出して『ハイ』って言ってくれたから、君がわかったことが良くわかったよ。うれしいな」

 

このように、言葉を発してもらえるように、生徒のペースに合わせながら質問したり、話をしたりして、言葉を発しやすい環境を創ります。

 

そして、生徒が言葉を発すれば、その都度、「話してくれたから、よくわかったよ。ありがとう」と声をかけます。やがて、言葉数が増え、言葉を使ったコミュニケーションがとれるようになります。

 

初対面の時と比べると、人が変わったと感じるようになります。「内気な子」と感じたことが、嘘のようです。

 

変えることできない性格だと捉えてアプローチしていると、結果的に、その性格を強化してしまうことになり、益々、変えることのできない性格になってしまう恐れがあります。

 

保護者の皆様におかれましては、子どもの態度を性格と決めつけることなく、「今たまたま、その態度を選んでいるのだ」と考えて、アプローチしてみてください。

 

きっと、「子どもはこんなにに変わるんだ」ということ発見することになるでしょう。

 

☆ あるがままを認める ☆

 

私たちは、なぜ緊張するのでしょう。それは、来たるべき未来のある瞬間を、乗り越える準備が整っていないと感じる時に発生する感情とそれに伴う症状です。

 

緊張は、無意識からのメッセージです。無意識が今の準備は大丈夫か?と問いかけて来ているのです。このメッセージをしっかりと受け止めて、建設的な対処すれば緊張は和らぎます。

 

しかし、未来の結果ばかりに意識を向けすぎて、現実に意識が向けられなければ、緊張は続きます。

 

「もっと、早くから準備をしておけばよかった」という言葉が浮かぶときは、意識が現実を無視して、過去に向っています。

 

大切なことは、意識を現実に呼び戻すことです。

 

今、できることだけが自分でコントロールできることだと自分に伝えることです。過去も未来もコントロールできませんからコントロールできるのは、今この瞬間だけなのです。

 

これは、「あるがままを認める」ということです。「ありのままで良し」ではなく、今、この瞬間の現実を受け入れることが大切なのです。

 

「今、私は緊張している」と言葉に出してみると、意識を現実に戻しやすくなります。

 

そして、今、自分にできることは、今の自分の行動を変えることだけだ。

 

さあ、何ができるだろうか。

 

体をうごかしてみるのもいいかもしれません。

 

受験前の子どもの緊張に対して、親にできることはなにか、何をしたら良いのか、何をしない方が良いのか、お気づきになりましたか。

 

・「結果は後からついて来るものだから、今できることをやたらいいわ」というメッセージを子どもに送ることです

・「大変なことなんか起きない。何があっても解決可能だし、お母さん(お父さん)がついているから大丈夫。お母さん(お父さん)を信じなさい」というメッセージを送ること

・「終わったら、みんなで、~しようね」というメッセージを送り、子どもに肯定的未来をイメージさせること

・「あの時も乗り越えたのだから、今のあなたにできるわよ」というメッセージを送り、過去の成功イメージをさせること

 

「なんで、もっと早く準備しなかったの!?」と子どもの意識をネガティブな過去に向けさせないこと

 

「失敗したらどうするの!?」と危機的未来をイメージさせないこと

 

そして、何よりも親自身の意識を現実に向け、「ド~ん」と構えておくことです。

 

皆さんのお子さんにとって、その日が素敵な経験になりますように・・・。