子どものやる気を引き出す! 親のアプローチ

更新日時:2019年01月22日

恒例となりましたが、マネジメント・ブレイン・アソシエイツ様発行の「子供のやる気を引き出す 親のアプローチ」を転載させて頂きます。

保護者の方々にも何かの気づきの一つにして頂ければ、これに勝る幸せはございません。

 

出典:

マネジメント・ブレイン・アソシエイツ発行

「子供のやる気を引き出す親のアプローチ」

 

☆暗黙の理想を捨てて子どもを見よう!☆

 

◇読者の皆さんは、お子さんにどんな期待を持っていますか。たとえば、テストの点数は、何点とってほしいと思っていますか。

 

また、中間テストや期末テストの1週間前にどのくらい、家で勉強してほしいと思っていますか。そういう期待感を、私は「暗黙の理想」と言っています。

 

◇中学生になると、明らかに授業の中でテストが増えてきます。

 

小学校の時から、算数や国語は、多少は出来てほしい!と思うのが親心ですが、中学生になると今度は、英語や数学が出来るようになってほしい思うものです。

 

具体的には、平均点以上の得点は少なくても取ってほしいし、出来れば100点とは言わなくても80点は取ってほしいと密かに思っていたりしますよね。

 

◇そういう期待感を私は、「暗黙の理想」と言うことにしているのですが、そういう「暗黙の理想」が強ければ強いほど、子どもの結果や過程をその「暗黙の理想」から評価しがちになるものです。

 

そうすると、なかなか子どもの結果や過程をプラスに受け止めることができないようになります。

 

◇例えば、中学生の定期テスト(中間テストや期末テスト)の勉強時間を考えてみましょう。

 

◇定期テスト1週間前に、子どもにどれだけ自宅で勉強してほしいでしょうか。

 

私が、ここ数10年間で保護者の方に講演して、その中で調査した結果、一番勉強してほしいと思っている時間数は、大体で3時間でした。

 

◇ある会場では、4時間が多かったり、海外で講演したときは、5時間が多かったりしましたが、平均を取っていくと大体3時間が一番勉強してほしい時間と言うことになりました。しかし、この3時間には、全く論拠はありません。

 

3時間勉強したからといって、絶対にテストでいい点が取れるというものではありません。保護者の方は、ただ3時間ぐらいやってほしいと思っていたのです。このぐらいやれば、きっとテストも出来るだろうと思っていたのです。こういう思いが、「暗黙の理想」です。

 

◇定期テスト前に自宅で3時間勉強してほしいと親が思っていると、この3時間が子どもを評価する基準になってしまうのです。

 

◇ですから、普段は家庭学習などしない子どもが、テスト前に30分勉強したとすると、本来ならば頑張って勉強したから、認められてしかるべきところを、3時間(=180分)と言う「暗黙の理想」でその30分を評価してしまうと、まだまだやっていない、全然やったことにはならない、そういう評価になって、子どもにマイナスのアプローチをしてしまいがちになります。

 

◇「暗黙の理想」を無意識の内に持って、子どもを見ていくと、いつでも子どもの努力をプラスで評価することが出来ないようになってしまうのです。

 

◇子どもの努力を評価する時の鉄則は、子どもの現状を基準にして評価するということです。「昨日の子どもの行動」を基準に「今日の子どもの行動」を評価することです。

 

◇普段は全然やらない家庭学習をテスト前に、30分もやったのであれば、プラスの評価になるはずです。子どもの努力を承認してもいいはずですよね。

 

「暗黙の理想」を基準にするから子どもの努力を素直に評価できないようになってしまうのです。

 

◇「暗黙の理想」には、何の論拠もない場合が多いものです。

 

ですから、子どものやる気を引き出そうと思うのであれば、「暗黙の理想」をちょっと端において、子どもの現状から子どもの努力や行動を評価していくようにしてください。

 

◇「昨日の子どもの行動」より「今日の子どもの行動」が成長していたら、プラスの評価を、マイナスになっていたら、マイナスの評価をすれば良いのです。

 

『暗黙の理想を捨てて子どもを見よう!』

 

 

☆反抗期を歓迎する!☆

 

◇自我形成において重要なことは、親の価値観をどういう風に掴み直すか、ということです。

 

◇人間は、生まれてすぐに親にめぐり会い、1歳を過ぎたところから、自分の自我のモデルに無意識のうちに親を立てます。好むと好まざるとに関わらず、親が自分の中に自然に入っている状態です。そして、自分の中にある親をモデルにして、子どもは社会的な自我を形成しながら、社会生活を徐々に始めることになります。

 

◇子どもの活動領域が徐々に拡大していくと、色々な個性を持った友人たちとつき合うことになって、親との葛藤とは違う様々な葛藤を経験することになります。そして、そういう経験を積んで、社会的な自我が鍛えられていくのです。

 

◇子どもが10歳から15歳前後になった時、とうとう第二の誕生の時期に入っていきます。自分自身の存在、親と自分の関係に疑問を持つようになるのです。

 

◇この存在への疑問が、自律(親の価値観からの独立)のスタートです。これこそ、本当の自分になっていく、第二の誕生のスタートなのです。自分とは一体なんだろう?自分は自分で、親は親だ。自分は何のために生まれてきたのだろう?こんな疑問が、徐々に自分の中で生まれては消え、消えては生まれるようになります。この時期から、子どもは、俗に言う「反抗期」に入っていきます。

 

◇今までは、親の価値観に根本的に反抗することはありませんでしたが、この時期から、根本的に親の価値観に異議を申し立てていくようになります。親の言うことに素直に従わなくなるのです。

 

子どもが大人になるということは、親の価値観から一旦距離を置いて、自分なりの価値観を打ちたてようとすることから始まります。親の全くの複製を拒否して、オリジナルな自分になろうとすることが、自律です。ですから、親への反抗が出てくるのです。

 

◇こういう時期に入ったら、親は、以前の子どもの素直だった時の子ども像を求めるのではなく、まずは「反抗期」的な兆候を良しとしてみるように努力することです。

 

大人になっていく一つの「通過点」だと考えて、「反抗期」を歓迎する努力をすることです。くれぐれも、「何でこんな子どもになってしまったのだろう?」と嘆かないでください。大人になるステップを自分の子どもが歩みだしたのだと思うことです。

 

◇子どもが親の価値観から離れようとしている時が、実は非常に不安になる時なのです。そういう時に、子どもの「反抗期」的な兆候を直そうと必死になってはいけません。それよりは、「反抗期」的兆候の中からでも、子どもの良い点に注目して、そのことを認めてあげようとして欲しいのです。

 

◇子どもは、以前のような幼い、素直な子どもには戻れないのです。今度親の前に現れる時は、素直な大人として戻るか、たくましい大人として戻るかしかないのです。

 

◇ですから、そのために、「反抗期」的兆候を糾弾するよりも、良い点に注目して、子どものセルフ・エスティームを高めて、子どもの不安を少しでも取り除くようにしてあげてください。そうすることが、子どもの自律を促し、「反抗期」を短くすることになると思います。子どもが大人になるために苦労する時期を「反抗期」と言うのだと思ってください。

 

 

☆子どもの友人関係に関心を持つ!☆

◇皆さんは、子どもの友だちのことを良く知っているでしょうか。子どもが、今どんな友だち関係を結んでいるか、関心を持って子どもと会話をしているでしょうか。

 

◇子どもの成長環境は、家族関係(親子関係と兄弟姉妹関係、親戚関係)、友人関係、師弟関係の中にありますが、成長すればするほど、友人関係が成長環境の中で大きな比重を占めることは、皆さんも当然知っているはずです。ですから、出来れば、小さい内から、友達について気軽に話せる関係を作っておいたほうがよいのです。また、どんな友人なのかを実際目で見て、知っておいた方がよいと思います。

 

お母さん:最近、どんな友だちと学校で遊んでるの?

A君 :え~?太郎とか次郎だよ。

お母さん:太郎君って、3年生の時の太郎君?次郎君は?

A君 :太郎は、今年クラス替えで一緒になった奴だよ。次郎も同じ。

お母さん:太郎君は、あなたから見るとどういう少年?次郎君は?

A君 :まあ、いい奴だよ。二人とも。

お母さん:そうだと思うわ。あなたの友だちだから、いい子に決まっていると思うけど、もし、太郎君と次郎君に会うことがあったら、なんていっていいかわからないから、ょっと二人のことを知っておきたいのよ。どんなところが、長所なの?

A君 :太郎は、面白い奴だよ。次郎も同じかな?

お母さん:太郎君の趣味は何?次郎君は?

A君 :太郎は、僕と同じだよ。サッカー。次郎も同じ。 でも、次郎はサッカーも好きだけど、勉強も好きみたいだよ。

お母さん:へえ。次郎君は、珍しいのね。勉強が好きだなんて。

A君 :奴は塾に行っているからね。

お母さん:そうなんだ。太郎君は、行ってないの?

A君 :奴は行ってないよ。太郎は、勉強が苦手だもの。

お母さん:そうなんだ。3人で遊ぶの?

A君 :そうだね。たまに、太郎と二人の時もあるけどね。

お母さん:次郎君は、塾に行っちゃうから?

A君 :そう。

 

◇こんな感じで、友だちのことを聞いてみてください。趣味とか、勉強のこととか、色々なことを知ることで、子どもがどういう友だちと付き合っているかが分かりますし、今どういう状態なのかも理解できるかもしれません。友人関係にあまり立ち入ってはいけませんが、全く知らないと言うことのないようにしたいものです。

 

◇思春期は友人に色々影響を受けてしまうものです。良い影響を受ければよいのですが、それだけではないのが友人関係です。その時に上手く友人関係の調整をしてあげられるように、小さい内から友人関係を知っていることは大切なことだと思います。他愛もない会話の中で友人関係を少しでも知っておきましょう。